指輪の魔法がとけた時
その日の夜、慎の家に泊まった。

みんなの前で堂々と交際宣言をしてくれたことは恥ずかしくもあり嬉しかった。

亮二はずっと私たちの関係を隠し、さらに私には社外に恋人がいるとふれまわり、私に嘘をつかせたのだから。

それでも、慎を狙っていた女性はたくさんいて、嫉妬で陰口やあからさまに嫌みを言われたりとしばらくは嫌な思いをするようになりそうだ。

「もう!
どうしてはっきりみんなの前で認めてあんなこというわけ!?」

本当は嬉しいくせに、頬を膨らませて怒る私の本心なんて慎にはバレバレでくすくす笑いながら

「ごめんな。悪かったよ。
田仲が挑発するからついつい独占欲丸出ししちゃったよ。
おこるなよ、あすか」

背後から私を抱き締めてそのまま一緒にソファーに腰かける。

慎とこうして一緒に座るこの体制を私はえらく気に入っている。

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