指輪の魔法がとけた時
前進
温かな腕の中に包まれて朝を迎えた。
長い睫毛にスッととおった鼻筋、切れ長な目は伏せられたままで、規則正しい寝息が聞こえる。
目の前には、普段の自信過剰で意地悪に笑う顔がなりをひそめ、さらさらな前髪が顔にかかる可愛らしい寝顔の慎がいる。
この人がいたから私は今笑うことができている。
長い間、私を縛り付けていた右手の指輪をはずす勇気をくれたのは彼なのだ。
酷いふられかたをした私を、もう恋なんてしたくないとトラウマになる前に、救い上げて大きな愛情で包み込んでくれた。
いちいち亮二と比べてしまって申し訳ないと思いつつそうしている私に、慎は『いくらでも比較するといい。アイツより劣るところなんてないからかまわないよ。
全部、俺で上書きしろ。俺が誰よりもあすかを愛してるんだから』
と自信満々に力強い眼差しを私にむける。
こんな人に愛された私は幸せだ。
長い睫毛にスッととおった鼻筋、切れ長な目は伏せられたままで、規則正しい寝息が聞こえる。
目の前には、普段の自信過剰で意地悪に笑う顔がなりをひそめ、さらさらな前髪が顔にかかる可愛らしい寝顔の慎がいる。
この人がいたから私は今笑うことができている。
長い間、私を縛り付けていた右手の指輪をはずす勇気をくれたのは彼なのだ。
酷いふられかたをした私を、もう恋なんてしたくないとトラウマになる前に、救い上げて大きな愛情で包み込んでくれた。
いちいち亮二と比べてしまって申し訳ないと思いつつそうしている私に、慎は『いくらでも比較するといい。アイツより劣るところなんてないからかまわないよ。
全部、俺で上書きしろ。俺が誰よりもあすかを愛してるんだから』
と自信満々に力強い眼差しを私にむける。
こんな人に愛された私は幸せだ。