指輪の魔法がとけた時
目が覚めると、ワンピースを脱がされて、下着姿のままベットにいた。

私の体はきつく慎に抱き締められ、腕の中から抜け出すことは難しそうだった。

「…目が覚めた?」

ふってきた声に、見上げると心配そうに私を見つめる慎の目は、寝ていないのか微かに赤い。

「 落ち着いた?
大丈夫か?田仲が体調が悪いって一人で目を離したら帰ったって連絡きたから、車をかりて帰ってきたんだ。

…辛かったか…アイツの結婚式。

隣に並ぶのはあすかだったんだもんな…」

腕の中で頭を左右にふると、優しく頭を撫でられた。

違う…!!

そう叫びたいのに声が喉の奥に張り付いてでてこない。

「もっと早く帰ってこれなくてごめんな。
あすか、一緒に横浜に行こう。
俺の側にいろ。
一人にはさせないから」

近づく顔に顔を背けると慎が驚いて動きを止めた。


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