指輪の魔法がとけた時
それでもすぐに慎の声は私を追ってきた。


「あすか!誤解だ!待ってくれ」

迫る声にエレベーターは無情にも一階の表示を示していて、階段に足をむけてそのまま下まで一気に走り降りる…はずだった。

「きゃあ」

咄嗟にはいてでてきたパンプスではうまく走り降りることなんてできなくて…私は無様に足を滑らせて階段の途中から滑り落ちた。

「あすか!!」

頭上から急いで階段を下ってくる足音が聞こえる。

「痛ったぁ…」

立ち上がろうとしたが、左足にはしる激痛は床から私を引き離してはくれなかった。
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