指輪の魔法がとけた時
「さっき先生に許可をとってきた。

会わせたい人と話をゆっくりしたいから車イスに乗せて談話室に移動する」

「えっ!?」

布団をめくられて、膝の下に手を入れて私を抱えあげると

「痛くないか?」

と心配そうに顔を覗きこみ、さっと近づいた顔は私の唇に軽く触れてすぐに離れた。

「慎!!」

「会いたかったんだから仕方無いだろ」

しれっとして言いながら、廊下で車イスに乗せると、パジャマ姿の私に上着を羽織らせて面会者が帰り始めた静かな談話室に車イスを押していった。

談話室には私に背を向けた二人の男女が座っていた。

私が近づく音が聞こえたのか、振り向いて立ち上がった二人を見て私は大きく息を飲んだ。

「どうして…!?」
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