お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



「なんでも……ね。
んじゃ、その言葉忘れないでね」


そう言うと、ベンチから起き上がり
だるそうに歩き出したのでそのあとについていく。


「あ、あの先輩は何年生なんですか?」

「……」


む、無視された。
聞こえてないのかと思って、もう一度話しかけてみる。


「先輩!聞こえてますか!」

すると前を歩く先輩がピタッと足を止めて、わたしのほうを振り返った。


それはもう、面倒くさそうな顔をしながら。


「……喋るのめんどい」

「は、はい?」


「酸素の無駄」


な、なんだこの先輩。
とんでもないめんどくさがり屋じゃん!


そこからは特に会話をすることもなく、無事に新入生がたくさんいる体育館周辺まで連れてきてもらえた。


「あっ、連れて来てくれてありがとうございました」

どうせ無視されるだろうと思ったけれど、いちおうお礼は言っておかないと。

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