お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
「……どーいたしまして。
もう迷子にならないよーにね、子猫ちゃん」
かなり雑な手つきで頭をよしよしと撫でられた。
「わっ、ちょっ髪が……っ」
「今度、助けたお礼ちょーだいね」
なんて言って、ここからふらっと去っていた先輩。
結局、何年生なのかも聞けず名前も聞けてない。
まあ、きちんとお礼は言ったし、今度なんていつになるかわからないし。
もうきっと、あの先輩と会うこともないだろうし。
そう思いながら、急いでクラスを確認して近くにいた先生に教室までの行き方を聞いて、なんとかたどり着いた。
「あれ、杞羽おはよ。
ずいぶんギリギリな時間の登校で」
「お、おはよ沙耶。
なんと早速迷子になってしまって」
「ほほう、よくたどりつけたね」
「ほんといろいろ苦労したよ……」