お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
「ってか、千里くんが杞羽の部屋に来てゴタゴタした様子見る限り、あきらかに春瀬先輩、杞羽のこと取られたくないって感じじゃん。もうそれ独占欲でしょ」
「いや、だから前にも言ったけど、それは独占欲とかじゃなくて、息子がお母さんを取られる的な感覚で!」
「んじゃ、わざわざ男除けのためにキスマークつける必要あるか〜?」
「うぬ……」
「これは間違いなく、春瀬先輩は杞羽のほうに気持ちが傾いてると見た。いやー、これからの展開がますます楽しみだね〜」
「ひ、他人事だと思って……」
***
そして迎えた放課後。
沙耶と教室で別れて、学校の門を出ようと歩いていると。
えっ、うわ……うそ。
門のところに立っている見覚えのある人物のシルエット。
どんどん近づいていくと、それが鮮明になって誰かわかってくる。