お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
既定の制服をかなり着崩して、制服の上にパーカーを羽織って黒のリュックを背負って。
足元は動きやすそうなスニーカーを履いて。
な、なぜここに━━━━千里がいるの……!?
明らかに学校帰りで、そのままここにやって来ました感満載。
顔が認識できるくらいまでの距離になれば、もう逃げることはできないわけで。
「やっと出てきたかよ、おっそ」
「なんで千里がここにいるの!!」
「杞羽に会いに来た以外に理由ねーだろ」
「なんで会いに来るの」
千里は結構頭のいい高校に通ってて、部活もやってて忙しいのに。
こんなところ来てる暇ないじゃん。
「つめてーのな。彼氏いるからそんな態度なわけ?」
「そ、そういうわけじゃ、ない……けど」
「つーか。付き合ってんのに一緒に帰ったりしないわけ?隣にも住んでて帰り道一緒なのに」
はっ、しまった。
千里には暁生先輩と付き合ってるって話で通してるんだった!
すっかりこってり忘れていた。