お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
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「なんだよ、さっきよりもっと暗い顔して。せっかく杞羽の好物のパンケーキ食ってんのに冴えない顔ばっかじゃねーかよ」
「……」
結局、あれから暁生先輩と女の人の後ろ姿が頭に焼き付いてるみたいに離れなくて。
せっかく食べている美味しいはずのパンケーキもなぜか食べ進められない。
だって食べてみても、いつもほっぺが落ちるくらい美味しいのに、今はちっとも味がわかんない。
「……なんだよ、そんな家に帰りたくねーのかよ、アイツのそばにいたいのかよ」
千里が不満そうな顔をしながら、そんなに得意じゃない甘いパンケーキを無理やり食べていた。
「いや……、そういうわけじゃなくて……」
「んじゃ、どーゆーわけなんだよ」
「わかんない……」
「はぁ?」
頭の中でどれだけ考えたって何も出てこない。
ただ考えれば考えるだけ、頭の中が暁生先輩でいっぱいになっていく一方。