お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



「……杞羽のこと欲しいって言ったらどーする?」


シュルッとほどかれた制服のリボン。


同時に、暁生先輩が自分のネクタイに指をかけて緩めた仕草にすら、クラッとくるなんておかしすぎる。


「ぜんぶ……俺のものになったらいーのに」


こんな先輩知らない。


同時に、さっきまでされていた慣れているキスに悲しくなった。


誰にでもこんなことしてて、きっと気持ちがなくてもできてしまうんじゃないかって。



こうして触れるのが、甘いキスをしてくるのが、ぜんぶわたしにだけだったら……。


あぁ、やだ。


これじゃ、わたしだけのものでいて欲しいって、独占欲みたいじゃん。



「ねー……杞羽」

「っ、」


耳元で囁かれる甘い落とすような声。


「……もっと、していい?」


心臓がキュウッて縮まった。

ずるいずるい、なんでそんな求めるようなこと言うの……。

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