お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
もう無理って意味を込めて、ゆっくり目を開けて首を横に振る。
すると、離れるのを惜しむように、わざとチュッてリップ音を立てて離れた。
でも、顔の距離は近いまま。
お互いの息が至近距離でかかってピクリと動いてしまったら、また唇が触れちゃいそうで。
「……ここで止まってほしい?」
「止まって……くれなきゃ、困り…ます」
「んじゃ、俺の言うこと聞く……?」
いったい何を言われるんだろうって思ったけど、今ここで聞かないって言ったら先輩は止まってくれないと思う。
だから。
「き、聞けることなら、聞きます……から」
従順すぎるんじゃないって思ったけど、今ここで聞くっていう以外の選択肢なんてない。
暁生先輩も、わたしがイエスと言うのをわかっていたかのように、片方の口角をクイッと上げて笑った。