お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
……そんなことを考えるけど、結局何も考えられないまま。
もしいま目を開けられて、顔を見られたらぜったいイジワルされる。
それに、自分でもどんな顔をしてるのかわかんないから、余計見られたくない。
だから今すぐこの手を引いて、距離を取らなきゃいけないのに。
こんな欲張りな自分知らない。
「……この手はなーに、杞羽チャン」
うわっ……お、起きて……る。
気づいたら、さっきまで閉じていたはずの瞳がバッチリわたしをとらえていた。
口元をキュッと結んで、手に少しだけ力が入る。
ど、どうしよう……っ。
この状況だと、どう考えてもわたしが先輩に触れたくて触れてる…ようにしかとらえられないし。
逃げ場完全にゼロ……。
「ナ、ナンデモナイ、……デス」
「……嘘はよくないね。
もしかして俺誘われてるとか?」