お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



これがぜんぶ、わたしにだけならいいのに。


他の人にもこんなふうに触れたりするの、甘いキスしたりするの……?


「……俺の余裕どんどん奪ってよ」


ずるい、ずるい、ずるい。


奪えるものなら奪いたいのに、
こっちが奪われてばっかりなのが悔しい。



「もっと……杞羽で満たして」


ドサッと身体がベッドに倒された。

上に覆い被さって、頬を両手で包み込んで、またキスをしてきた。



「……ちゃんとキス応えて」


応えてなんて言われても。


何が正解で、どう応えたらいいかなんてわかんない。


暁生先輩以外の男の人を知らない。

ぜんぶ、先輩が初めてで。



「応え方……わかんない、です……っ」


「こーゆーこと、男としたことないの?」


「ない……です……っ」


先輩と違って経験があるわけじゃないし、キスのひとつでいっぱいなのに。

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