お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
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沙耶と教室で別れて下駄箱へ。
ローファーに履き替えて、つま先を軽くトントンと地面について。
よし帰ろうって思って、外に出てみたら。
……うわ。
なんでなんで、こんなタイミングで。
しかもこんな場所でバッタリ会うなんて。
思わず、手に持っていたカバンを握る手に力が入る。
気づかないフリをして、何も喋りかけずにそのまま立ち去っていくか。
でもでも
目の前にいる━━━━暁生先輩とバッチリ目があってしまったから。
うぅ……ひたすら気まずい。
この前のことがあってから、もう自然に接することなんてできるわけなくて。
暁生先輩も何を考えているのかさっぱりで、考えが読めないから本当に困る。
気まずさに耐えきれなくなって思わず地面に目線を落とすと。
「……ひっ、な、なんですか」
目を合わせるように、暁生先輩が急に顔を覗き込んできた。
そのせいで思わず身体が後ろに少し下がる。