お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
ほんとに悔しい。
わたしばっかりが……暁生先輩への気持ちが強くなっていく一方。
「……キス」
「へ……」
急に発せられた単語にびっくりしたせいで、めちゃくちゃ間抜けな声が出た。
「……したのが嫌だった?」
「っ、」
「もし杞羽が嫌だったなら謝る。ごめんね」
こんな素直に謝ってくるなんて。
でもこれは、わたしを上手く騙すために、その場しのぎの言葉を並べてるんじゃって思っちゃう。
別に好きでもないのに軽く手出してごめんって?
それなら謝って欲しくなかった。
余計虚しくなるだけだから。
って、めちゃくちゃ捻くれてるなわたし……。
「だから……俺のそばから離れないで」
なんでなんで。
そこまでわたしにこだわる理由がわかんない。
ちゃんと言葉にして、気持ちを伝えてくれないと嫌だって思うのわがままなのかな。