お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
あぁ、たぶんわたしがここにいるから遠慮してる……?
「もしかして隣にいる子、彼女とか〜?」
大きくてパッチリした瞳がわたしをジーッと見つめてとらえた。
こんな年上美人と、どこにでもいそうなフツーの女子高生のわたしと。
どっちがいいって聞いたら、そんなの圧倒的に……というか比べるのも失礼。
「……いや、彼女ってわけじゃないけど」
わかってる、わかってるもん……っ。
わたしは先輩の特別じゃないし、彼女でもない。
頭ではそう理解してるのに、いざ面と向かって言われたら胸をえぐられたように苦しくなる。
「へぇ。てっきり彼女ちゃんかと思った〜。暁生ってこういう可愛い子が好み?」
にこっと笑いながら、わざとわたしに見せつけるように暁生先輩の腕にギュッと抱きついてる。
なんて返すのか気になったけど、これ以上2人を見たくないし、答えによって傷つくのが嫌だから。
気づいたら、この場から逃げ出していた。