お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
電話越しに聞こえてきた慌てた声。
その声を聞いたら、なんでかもっと泣きたくなった。
「うぅぅぅ……っ」
『いや、どーしたんだよ!なんかあったのか?』
「ちさと……ぉ……っ」
電話をかけてくれたのは千里で。
心配そうにしてくれる千里の声を聞いてたら余計に泣けてくる。
いつも昔から、千里の前では子どもっぽく泣いてしまう。
だって、千里はわたしにとって幼なじみだけど家族みたいな……お兄ちゃんみたいな存在で。
口うるさいのがほとんどだけど、ぜんぶそれはわたしのことを心配してくれる優しさで。
『なんだ、どうしたんだよ。落ち着いて喋ってみろ。待っててやるから』
「落ち着けない……っ、もうやだ無理……っ」
高校生にもなって、こんな泣き方してたら、いくら面倒見がいい千里でも呆れちゃうかもしれない。
なんて心配したけど。
『わかったわかった。んじゃ、今からお前のマンション行くから待ってろ、な?』