お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



「うぅ、いきなりそんなこと言われても困る……っ」


ただでさえ暁生先輩のことで頭がいっぱいで、キャパオーバーなのに。



「いや、俺だって言うつもりなかったし。杞羽は俺のこと恋愛対象とかで見てねーのわかってたし」


「だ、だったらなんで……」



「お前が好きで付き合ってる相手がいて、それで幸せなら俺は何も伝えずに引くつもりだったけど、お前泣いてんじゃん、苦しがってんじゃん」


「っ、」



「俺は杞羽のこと誰よりもわかってるし。
なんなら泣かせないし、幸せにできる自信あるから。だから、お前が幸せだと思えなくて苦しい想いしてるなら俺は引く気はないから」



抱きしめる腕に力が込められた。


こんなに想ってくれる人がそばにいるのに。


千里を選べば、
ぜったい大切にしてくれるし、不安になることも泣くこともないのに。

< 216 / 350 >

この作品をシェア

pagetop