お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
痛いくらいに、この想いが伝わってくるのに。
わたしの心はぜったいおかしい。
少しもグラッとも揺れないなんて……。
逆になんで暁生先輩じゃなきゃダメなのかって聞かれても、はっきり言葉で言い表せられるものがない。
ただ……気持ち的に、すごく好きで好きで仕方がなくて……。
「俺を選べよ……杞羽━━━」
そんな声が聞こえて、
身体が少し離されて、千里の顔がどんどん近づいてきて。
「……っ、ダメ……」
唇が重なる寸前で、自分の手で口元を覆って抵抗した。
最低だってわかってるけど、
ここで拒まなかったら、どちらも傷つくだけだと思ったから。
きっと、優しい千里のことだから、わたしの嫌がることはぜったいにしない。
もしかしたら、抵抗しなくても千里はキスしてこなかったかもしれない。
「ちゃんと拒否れよ……バーカ」とか言って、軽く言ってくれそうで。