お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



「おっと、こうしちゃいられない。そろそろ出ないと約束の時間に間に合いそうにないね」


「いや、約束って……」


「あっ、サンダルとかちゃんとヒールあるやつ履くことね」


なんだ、ぜんぶ無視じゃん。
とことん無視してくるじゃん。



マンションから連れ出されて駅のほうへ。



「沙耶ってば……どこ行くの……っ!」


「んー?カラオケカラオケー」


「カラオケ?」


別にカラオケ行くくらいならこんな気合い入れてメイクしたり髪巻いたりする必要ある?


ボケッとそんなことを考えながら、店内に入ってなぜか受付をスルー。


「えっ、部屋とか取らなくて……」


「いーのいーの。もう始まってるだろうから」


は、始まってる?
え……いったい何が始まってるって?


階段を登って、いちばん奥の角部屋。



「さーて、今から春瀬先輩のことはキッパリ忘れて、この場を楽しむこと!いいわね?」

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