お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



気持ちの矛盾もいいところ。



いつもなら、寝るときはぜったい抱きしめて腕枕してくれるのに。


同じベッドにいるのに、なんでか遠く感じちゃう。


突き放したのはわたしだけど、こんなふうになりたかったわけじゃない。



わがままって思われるかもだけど、拗ねたわたしに暁生先輩が「……ごめんね」とか、そういう言葉が欲しくて。


ちょこっとだけ甘やかして欲しくて。


けっして、ケンカしたいとか仲が悪くなるようなことは避けたかったのに。



「せん、ぱい……っ」

「……」


呼んでも無視。
ぜったい拗ねてる、機嫌直してくれない。



だから、さっき暁生先輩がわたしにやっていたみたいに目の前の大きな背中に身を寄せる。


わたしの気配を感じても、ピクリとも動かない。


寝てないのに、寝たフリ。



もしかして、わたしがこんな思いして、暁生先輩を求めちゃうのも、ぜんぶ計算通りだったりして。


暁生先輩ならありえそう。

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