お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
「拗ねちゃやだ……っ」
こっちを向いてって、先輩のシャツをギュッと握ってみる。
すると、少しだけ身体が動いて。
「……わがまま」
なんて言いながら、大きな背中がぐるりと回って正面からギュウッて抱きしめてくれた。
「お、怒ってますか?」
「怒ってないよ」
急に優しくなってる。
先輩って普段はわたしより子供みたいで、わがままばっかりなのに。
こういうときだけは、年上だからかわかんないけど、折れてくれるような。
そんな、たまに見せてくれる優しさにもドキドキさせられたり。
「うぅ、ごめんなさい、強く言いすぎちゃって……っ」
「いいって。別に怒ってないし。ってか、杞羽に拒否されてちょっとさびしかったから拗ねただけ」
さっきまでの自分の勢いはどこへいっちゃったんだろうってくらい、今は抵抗せずに先輩の腕の中にすっぽり収まってる単純さ。