お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
「へぇ……。杞羽って料理とかできるんだね」
「そんな凝ったものは作れないですけど、簡単なものとかなら」
というか、先輩はいったい何をしに来たんだろう?
フライパンに向けていた目線を、ふと先輩のほうに向けたら。
「杞羽は将来いい奥さんになりそう」
「へ?」
なんでか、こっちに近づいてきて
気づいたら背後に立っていた。
そのままフライパンを覗き込むように見ながら、わたしの肩に顎を乗せてきた。
「ひっ……!な、なんですか急に!」
近いよ近い……っ!
ちょっと顔を横に向けちゃえば、先輩の綺麗すぎるくらいに整った顔があるせいで変に心臓がバクバク動いちゃう。
うぅ、ぜったい先輩はそんな意識してないんだろうけど、こっちからしてみれば、こんなイケメンがそばにいてドキドキしないわけがない。
でも、それを知られたくないので、必死に視点をフライパンに合わせる。