お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
やっとほどいてもらえて解放された。
そして話を聞いてみたら、どうやら昨日の夜の記憶がほぼないらしく。
「……なんも覚えてない」
「えぇ」
まさかここにきてとぼけるつもり?
でも、先輩の様子からして嘘をついてるようには見えないような。
でもでも、昨日のことを翌朝ポンッて簡単に忘れちゃうことなんてある??
「昨日けっこー遅くに家に帰ってきて、そこから記憶が曖昧」
「着替えもせずにベッドで寝てたんですよ」
「んー……。そーいえば、夜帰ってきて喉渇いてなんか飲んだかも」
「ま、まさか……」
ハッとして、ベッドから飛び起きてキッチンのほうへ。
そしてキッチンの上に置かれている空き缶がひとつ。
あぁ、ぜったいこれのせいだ。
ジュースか何かだと思って飲んだに違いない。
「ん……?何それ」
後ろから暁生先輩が覗き込むように、わたしの手に持っている空き缶をジーッと見てる。