お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



いつも甘えてくる先輩。


わがままばっかりだけど、わたしにだけとびきり甘い先輩。


ぜんぶを包み込んでくれる優しい先輩。



……気づいたら、わたしのほうが

ずっとずっと

先輩に夢中で、そばにいなきゃダメになってる。



『杞羽なんて飽きたからもういらない』


『杞羽よりかわいー子なんてたくさんいるし』


こんなこと言われたら、ショックで立ち直れないどころの話じゃない。



頭がガンガン痛んで、ギュッと閉じた瞳は涙でいっぱいになって、目尻からスッと流れ落ちた。



***



「……ん、」


あれからどれくらい時間が経ったんだろう。


それと、さっきから何かがブーブー鳴ってる。


徐々に意識がはっきり戻ってきて、スマホが鳴っているとわかってくる。



ずっとブーブー鳴ってるから、たぶん電話。


枕元に置いてあるスマホに手を伸ばして、かけてきた相手を確認。

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