お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
画面に表示されてる名前。
━━━━━━春瀬暁生。
応答のボタンをタップしようとしたけど指がピタッと止まった。
ここで素直になればいいのに、変に強がっちゃうのがいけないんだ。
わかってる、わかってるけど。
もしこの電話が、さっき考えたようなことを言うためにかけてきたんだったら
……出たくない。
とっさに、拒否をタップした。
そのまま真っ暗になった画面。
こんなことして、先輩は怒っちゃったかもしれない。
どうせなら切れるまで無視して、気づかなかったフリもできたのに。
あからさまにブツッと切ってしまった。
薄暗い部屋。
どんより重い気持ち。
せっかく先輩と話せるはずだったのに、強がってばかりでほんとに可愛くない。
スマホをベッドに放り投げて、
そのまま身体をベッドに倒したとき。
開くはずのない扉がゆっくり音を立てて開いた。