お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。



わたしが泣きそうにしてるから、珍しく先輩がちょっと焦ってる。


「限界なんて、わかんない……っ」


いつもよりわがままが増して、先輩の首筋に腕を回してギュッと抱きついてみる。



「んー……杞羽チャン、俺も男なんですよ」


「知ってるもん……」


「かわいー杞羽チャンがそばにいると、我慢できないくらい理性がグラグラなんですよ」



「グラグラ……?」


「今もこうして、身体引っ付けられると欲情しちゃうんだけど」



声がちょっと余裕なさそう。
顔をひょこっと覗き込んだら、暗いけど至近距離だから少しだけ赤くなってるのが見えた。



「っ、そんな可愛い顔して見たらダメだって」


引き離してくるから、わたしのほうから離れないようにギュッてしがみついたら。



「……こっちがどれだけ我慢してるか知らないくせに。……フツーならそれ、誘ってるってとらえるよ」

< 345 / 350 >

この作品をシェア

pagetop