お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
周りを見ても、先生も在校生すらも姿が見えない。
こんな広い校内うろついてても、入学式が行われる体育館までたどり着けるわけがない。
「うぅ……どうしよう」
落ち込みながら、とぼとぼ歩いていると中庭らしきところに着いていた。
大きな花壇があって、そこに綺麗に咲いている色とりどりの花たち。
この辺に誰かいてもおかしくないんじゃないの?
というか、誰でもいいからこの状況から助けてほしい。
若干、諦めかけて、花壇のそばにあるベンチに座ろうとしたとき。
「えっ……あっ、人いた!」
ようやく人を見つけてテンションが上がったのもつかの間。
そこにいたのは、ベンチに横になってすやすや眠っている男の人。
制服を着ているのでおそらく在校生。
な、なんでこんなところで寝てるの!?
できれば起きてる人に遭遇したかったし、案内してほしいのにまさか寝てるなんて。