お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。
でもでも背に腹は変えられない!
この寝ている人しか今わたしが頼れる人はいない!
そっと近づいてみる。
寝ている男の人は目元を腕で覆っているので、目をつぶっているのかわからない。
でも横になっていて、わたしの気配に気づかないということはおそらく寝てると思う。
黒に近い茶色の髪色に、鼻はスッとしていて、
薄くて形のいい唇。
目元は見えなくても、顔のパーツどこを見ても完璧。
それに、両耳に光るシルバーピアス。
ゆるく着崩した制服。
たぶん先輩……だよね。
新入生がこんなところで寝てるわけないし。
と、とりあえずこの先輩に助けてもらうしかない!
「あ、あのすみません」
ベンチのそばにしゃがみ込んで、声が聞こえるように耳元で話す。
「……」
でもまったく反応がない。
「あ、あの!起きてください!」
今度は少し大きめの声で、それにプラスして身体を少し揺すってみた。