特別な夜に魔法を
キャサリンの手を掴むハリーの手の力はいつもより強い。そして、いつも優しい目はどこか鋭くなっていた。

「ハリー、怒ってる?」

キャサリンが恐る恐る訊ねても、ハリーは何も答えてくれない。笑ったのは「罰を受けてもらうから」と言った時だけだ。キャサリンの不安は募っていく。

ハリーは何も言わずにキャサリンを部屋に入れ、ガチャリと鍵をかける。そしてキャサリンをベッドに座らせた。

「ハリー?……んんっ!」

ハリーを見上げたキャサリンは、突然ハリーから噛み付くようなキスをされる。何度も激しいキスをされ、キャサリンの頭はクラクラし始めた。

「もう!あんな無茶をしないでよ!とても心配したんだからね!!」

ハリーは頰を膨らませ、キャサリンを抱きしめる。キャサリンは小さく「ごめんね」と言った。

「ねえ、お仕置きってことでもっとキスしてもいいよね?」

キャサリンが答えるよりも早く、ハリーはキャサリンと唇を重ねる。

魔法使いが主役のハロウィンの日、二人にかけられたのは甘い恋の魔法。
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