君が遺した最後の手紙は

「そういえば美結のクラスにはカッコイイ子いないの〜?」

茶化すような口調で言ってくる。残念だが色恋沙汰には縁がない。

「なんか人気ある子はいるらしいけど興味なーい」

確か、林田くん…だっけ?あと中村くん。確かにかっこいいけどみんながキャーキャー言う心境は分からない。

2人はアイドルかよ。

「美結らしいねぇ〜…年齢=彼氏いない歴だもんね」

「…うるさい。」

恋なんて、する気もないし知らないわ。初恋もまだとか言ったらかわいい〜とか言われるけど恋する気持ちが分からない子供なだけなんだけどね。


「ただいま〜」

「「おかえり〜」」

お母さんが帰ってきた。

お母さんは優しくて、温かくてしっかり者の私の憧れ。「あのこと」があった時もお母さんとお姉ちゃんが寄り添ってくれたお陰で今くらいにまで立ち直れた。

「なに〜?今日はカレーなの?お姉ちゃん作?」

「え?なんでわかったの?」

「野菜が不格好だから」

「ええ…ひどい…」

私は面白くて優しい明るい、女だらけのこの家族が大切で、大好きなんだ。
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