君が遺した最後の手紙は
呪縛
☪︎
「…どうしたらいいんだろう…」
ベットに横たわって腕を伸ばして指先を眺めた。なんでやりたくないのかな。いや私だってやりたくは無いけどさ、そんなほぼ話したこともない人にやらないって主張するほどやりたくないのには理由があるはず。
「なんで?」って聞いたら答えてくれる?直接聞くのが早いとは思うけど、聞いたら失礼かな。だけど聞かなきゃわかんないよね。
「どうしたの?」
「うん、いやさ、実行委員になっちゃったんだけど、ペアの男子がめちゃくちゃやる気なくってさ、でも基本真面目そうな人なんだよね。部活同じで眺めててもちゃんとやってるし自分勝手な人じゃなさそうなんだよねぇ…どこか陰があるというか…」
「あのこと」があってから人の背負っているものまで見るようになって、そのせいで世の中に本当に悪い人なんていないような気がしてきている。
「なるほど。普段の美結なら身勝手!って怒ってるもんね。どこか引っ掛かってるから怒らないんだ。」
「あぁ、なるほど…」
思わず納得。
「直接、聞いてみたらいいんじゃん?なにか理由があると思ってるんでしょ?それなら聞いてみるのが1番だよ。ね。」
「うん…そっか…」
言葉に出さなきゃ伝わらない、だね。
「うん、聞いてみる。答えてくれるかはわからないけど、聞いてみなきゃ何も変わらないから」
「そだね。頑張って。」
「うん」
お姉ちゃんって、すごいや。私の気持ちすらすら読み取ってくれるもん。私の大事なお姉ちゃん。
いつかお姉ちゃんが死んだ時のことを考えたら悪寒がする。まぁどっちが先に死ぬかなんてわかんないけどね。
どんなに大きくなってもきっとお姉ちゃんは大好きなまま。
シスコン?
そんなの知らない。大切な人にコンプレックスもなにも関係ないもん。ただ、大好きなだけ。それだけ。