君が遺した最後の手紙は

「松崎ちゃん!!こっち手伝って欲しいの!どういうとこだったら綺麗に映ると思う?」

「え、えっと…」

「ねぇー今井くん手伝ってー」

「お?なになに?力仕事なら任せてよ」

「これ塗って欲しいの!」

「全然力要らないやつじゃん…」

「陽の入りがいいなら色付きのセロハンでステンドグラスっぽく出来ないかな、」

「それいいね!買い物係に頼も!」

作業が始まって3日。みんなわいわい楽しそうに準備を進めていて、どんなふうになるのかすごく楽しみだ。

「ねぇ、美結ちゃん、あのね、鈴琥…冬田さん、どうする?」

「あぁ…」

「やっぱみんなで一緒にしたいし鈴琥、中学から一緒だから心配になって…」

「そっか…」

冬田さんこと冬田鈴琥ちゃんは入学からほんの少しして保健室登校になってしまった子。雛莉ちゃんが不安に思う気持ちも分かる。

高校には「留年」というものがあって授業日数、出席日数が足りないともう1度1年生、最悪転校、退学になってしまう。

「じゃあ後で声掛けに行ってみるね、文化祭をきっかけに戻ってこれたらいいんだけどねぇ…」

「うんうん…」

「雛莉ちゃんも一緒に行く?」

「うーん、あんまり大人数で行ったら圧かけてるみたいになっちゃいそうだから、今度にしようかな」

「そっか、わかった。八津先生に話して行ってくるね」

「うん!おねがい!!」

雛莉ちゃんも冬田さんのこと考えてるんだなぁ、居なくても思考に及ぶなんてすごい…。
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