君が遺した最後の手紙は
「ねぇみんなは部活決めたー?」
月華が言い出す。今日から部活動見学が始まるのだ。
「心葵はテニス部かな、南陵のテニス部強いから」
確かにここ、南陵高校のテニス部は強い。バスケ部、吹部も同様に強豪校と言われている。
心葵ちゃんは中学でもテニス部だったらしく、またテニスがやりたくてここを志望したらしいのだ。
「私は…吹部かな。昔から音楽やってたから。」
麗咲ちゃんは大人っぽくて、おしゃれでバイオリンだって弾けちゃいそう。
「私も吹部だよ!」
楓が卵焼きを咥えながら言う。茶目っ気たっぷりで可愛い。
「月華は?」
「私はバド部かな〜」
月華、バド部入るんだ…。
「美結は?決めた?」
「んー、まだ迷ってるかな」
そう。まだ迷ってる。
「部活に入る」か「部活に入らない」か。
入るとしたら絶対バドミントン部。卒業する時は高校に入ったらバドミントンをするつもりでいたし、今でもしたいとは思っている。中学でもやってたしね。
だけど、どうしても躊躇する。
やっぱり「あのこと」を思い出してしまいそうで…