君が遺した最後の手紙は
「あ、でもね、入るならバド部に入りたいなって思ってるよ」
付け加えるように言う。体験は行きたいと思っている。
もしも楽しむことが出来たなら、入部しようかと考えている。
「あのこと」の後からずっと何かに没頭出来なくなった。
あんなに好きだったアイドルを見てもときめかなくなったし、友達と遊びに行ってもぼんやりとしてしまう。
本当は今も家で惰眠に浸りながら布団の中にいたいけど、そうはいかない。時間は前しか向かない。
私も無理矢理に前を向くしか無かった。
「え!じゃあ一緒に行こうよ!」
月華が目を輝かせている。私も月華が一緒に行ってくれると助かるし、嬉しい。
「うん、いいよ!」
「やったぁ〜!楽しみだなー」
「私も楽しみ!」
「私達も今日行こっか?」
「行く〜!!」
「私も梓(あずさ)誘っていこうかな。」
「梓って?」
「あ〜、中学の同級生!テニス部興味あるって言ってたから。」
「そうなんだ!」
こうやってずっとなんてことない話をするのが好きだ。なにより楽しい。