My Happiness
―誰もいないのか………。


別に珍しいことではない。
沙由さんも悠哉さんも働いているのだから。


しかし自然と寂しさは感じるものである。

「朝ご飯、食べよう……。」

小さく一人で呟く。

もちろん返事はない。

食パンにバターを塗り、こんがり焼いてから食べた。


思えば制服に着替えていない。

慧莉は階段を上がり、部屋で着替る。

そして再び鞄を持って1階へ行き、玄関へ向かう。

「行ってきます。」

誰もいない家に叫ぶ。

そして、ゆっくり慧莉は家を出た。

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