My Happiness
「慧莉~っ!」

家を出た途端に一葉に呼ばれた。

「大丈夫?心配したんだから。」

―一葉……。

「大丈夫!ありがとう!」


慧莉が一葉に近寄ると一葉はニヤッと笑った。

「ねぇ。」
「ん?」
「山本君とはどういう関係?」

―あっ……はい…………。

一葉の言い方からして、おそらく“恋人”的な答えを望んでいるのだろう。

けれど、クラスメート以上の関係はないと慧莉は考える。

「別に………同級生。」

あまりにも素っ気ない返事に一葉は余計に興味を示してしまった。

「“同級生”だけで追いかけるわけないでしょう。絶対に何かあるわよ!」

そして一葉は暫く悩んだ後、思い付いた様に目を輝かせた。

「山本君に聞いちゃえ!」

―…………。

何とも言えない状態の慧莉に一葉はそのまま続ける。

「ちなみに慧莉、あなた有名人になってるわよ!」

「えっ!何で?」

「昨日の件!あの山本君が追いかけたって。」

「あのって?」

疎い慧莉は説明されない限り、分かることはない。

「山本君は学年1のイケメンなのよ!それに成績優秀、スポーツ万能!女子が放っておくわけないでしょ!」

「はぁ…………。」

説明されても分からない慧莉であった。

「とにかく、女子から嫉妬されてると思うから気を付けなさい!」

「はい………。」

―って、どうすれば?
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