My Happiness

二章

Ⅰ

「ねぇ、織原さん。」

いきなり同じクラスの数人の女子が寄ってくる。


慧莉達が通う高校は校則が緩いため、派手なメイクをしたりする子がいるが、その中でも更に派手な格好をしている子達だ。

そして話しかけてきたのは、そのグループのリーダーらしき子。


「はい………？」

「単刀直入に言うわ。山本君とはどういう関係なわけ？」

「………クラスメートです。」


慧莉は少し迷ってから、真面目に答えを言った。


「ふざけてるの！？正直に言いなさいよ。」

「……………。」


返答に困った慧莉が一葉に助けを求める視線を送った。

そして気付いた。


一葉が再び暴走し始めている。



「うるさい………。」

ボソッと一葉が呟いた。

「何？速水さん。」

リーダーは聞き取れなかったらしく聞き返す。

「うるさいんだよ！」

一葉が声を張り上げた。

「さっきからうるさいんだよ！クラスメートって言ってるんだからクラスメートなんだよ！」

いきなりの一葉の怒涛にリーダーの子は口をパクパクしている。

「山本が好きならコクればいいだろ？さっさと行け！私達に関わるな！」

女の子達は恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にしながら廊下へ飛び出していった。

「フンッ！」

―おみごと………。


一葉は再び溜め息をつくと机に伏せた。

「眠～。」