My Happiness
「もっと足掻けよ!」

相手の腹に蹴りを入れる。

隣では楼弥さんが男を殴っている。
「うざいねん、アンタら。せめて苦痛の顔で楽しませてや。」



これが`羅衣'の姿。
喧嘩が大好きな悪魔のようだ。

だが、これは`自分'であることに違いはない。

「……女の……くせ…に……。」
「俺が女だろうと関係ねぇだろ!」

もはや女と言える人格ではない。
羅衣はれっきとした男だった。

「羅衣。」

楼弥さんの制止の声が入る。

「今日は終わりや。」
「あぁ。」

俺達はアスファルトに倒れた男二人を背に歩き出す。
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