My Happiness
「怪我は平気か?」
楼弥さんが心配そうに聞く。

さっきまでの悪魔のような雰囲気は今の私達にはない。

「大丈夫です。かすり傷程度なんで……。」
「そうか………。」

真夜中の川原で寝転がる。
空には光る星があり、半分欠けた月がある。

「俺達は…普通じゃないよな………。」

ふと楼弥さんがポツリと呟く。

「……………はい。」

「喧嘩の時の俺達は…………。」
「きっと……強くて残酷な悪魔です。」
「だよな………。」

少しの沈黙が流れた。

「けれど……。」
私はゆっくりと話し出す。
「アレも私達であることに違いはない……。」
「そして、俺達に必要なものであることもな…。」

そう。
不要だったら、あるわけがない。
あるということは`必要'だと言うことだ。



私達は少しの間、空を見上げ、それぞれの家に帰った。

私が家に帰るとあの女と父さんはいなかった。
テーブルに置かれたお金と手紙。
私はお金だけを取り、シャワーに入った後は自分の部屋にいた。

早朝、あいつらが帰って来たのに気付いたが、私は当然、部屋から出なかった。
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