Dangerous boy
愛し合った後は、向かい合って、ひんやりとした肌をくっつけ合った。

「ごめん、心。俺……初めてなのに、優しくできなかった。」

「ううん。」

私は首を横に振って、尚太君の胸の中に入った。


「逆に嬉しいの。尚太君に激しく抱かれる事が。」

適度に筋肉がついた胸は、年下の男の子なんて事を、忘れさせてくれるものだった。

「心……」

でも、尚太君は返って苦しそうだ。


「俺、今まで女は、欲求解消の相手としか、見ていなかった。」

「そう……」

「でも、心を抱いて……初めて、身も体も繋がる感触を覚えたよ。」

「嬉しい。そんなふうに、言ってくれるなんて。」

私は、尚太君の胸にキスをした。


「これからは、心しか抱かない。」

「ええ?」

私は驚いて、体を少し起こした。

「なんだよ、本当だよ。」

「ウソだとは、言ってない。」

だけど、そんな風に宣言する尚太君が、可愛く見えた。
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