Dangerous boy
いつの間にか、抱きしめ合ったまま、寝ついてしまっていた。

気が付けば、朝陽が部屋の中に、差し込んでいた。


胸元を見ると、自分の腕の上に、尚太君の腕が重なっている。

それがまた嬉しくて、恥ずかしくて、どんな顔で寝ているのかと、興味本位で、寝返りを打ってみた。


「おはよう。」

でも期待は外れ、尚太君は先に起きていた。

「……おはよう。」

それでも、またこのシチュエーションがいい。

朝、ベッドの上で顔を合わせて、好きな人と”おはよう”を言い合うのは、幸せの一つなのかもしれない。


「朝、ご飯食べる?」

ふいに尚太君に聞かれ、うんと答えた。

すると尚太君は、腕枕をしていた右腕をスルッと外し、起き上がると側にあったシャツを着た。

「心、待ってて。今、朝食作るから。」

「えっ……」

普通、泊った日の朝食は、女の子の方が『台所、借りちゃった!』とか言って作るんじゃない?
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