Dangerous boy
「ううん。心と一緒に歩きたいし。」

尚太君はやはり、愛すべき年下の男の子だ。


会社へ行く準備が整った私は、尚太君と一緒に家を出た。

マンションの出口を二人でくぐり、昨日待ち合わせをした公園の横を通り過ぎる。


「あのさ、心。」

尚太君は飛び上がるように、私の前を歩き始めた。

「心の会社の近くまで、俺行ってもいい?」

「私の?」

前の彼氏は、大学の同級生だったけれど、私の会社までついて来たりはしなかった。


「ダメ?」

「ダメじゃないけど、どうして?」

「だって、心は俺の職場、見てるでしょ。俺もどういうところで働いているのか、見てみたい。」

この好奇心旺盛な年下君は、私の事をもっと、知りたいのだろう。

「いいよ。」

「やった!」

尚太君が喜ぶと、私も自然に微笑んでしまう。


「こっちだよ、私の会社。」

私は尚太君のお店とは、反対の方向を指さした。
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