Dangerous boy
尚太君が言った通り、私は1階の待合室で、彼を待っていた。

このまま別れたいと言われたら?

すんなりと、受け入れなければならないのだろうか。


そんな事を考えながら茫然としていると、後ろから肩をトントンと叩かれた。

振り向くと、尚太君だった。

「心。来てくれて、有難う。」

いつもの笑顔に、少しだけほっとする。


私の隣に座って、一息つく尚太君は、思った通り何か私に重大な事を、伝えようとしているに違いない。

「心。」

「うん。」

その後に、”別れよう”と告げられると思うと、このまま何も言わないでと思う。

「紗和子さんの事なんだけど。」

そうだ。

私達の事ばかりで、頭いっぱいだったけれど、紗和子さん、歩けるかどうかの瀬戸際だったんだ。

「どうなったの?紗和子さん。」

私は尚太君に押し迫った。

そんな私に、尚太君は目をパチクリさせている。

「歩けるようになったの?それとも……」
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