Dangerous boy
「落ち着いて、心。」

「えっ……」

「って、これじゃあオーナーと一緒か。」

私達は、顔を見合わせながら笑った。


「紗和子さん、回復しなかった。」

私は笑う事を止めた。

「一生、車いす。俺、覚悟したよ。」

息をゴクンと飲んだ。

「俺、紗和子さんに言ったんだ。俺が、紗和子さんと結婚するって。」


目の前が、暗くなった。

えっ?何?

もう一回言って。

えっ?尚太君が、紗和子さんと結婚?


「……養子なのに、結婚できるの?」

「……心?」

「そんなに、紗和子さんの事が好きなの?」

尚太君が、茫然としている。

「なんで?どうして?紗和子さんには、小暮さんがいるじゃない。」

「ああ……」

「なのに、どうして尚太君が、紗和子さんと結婚するのよ!」

私は、立ち上がった。

「えっ、ちょっと心?」

尚太君も、立ち上がった。

「尚太君の馬鹿!」
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