Dangerous boy
私は走って走って、走りまくった。

でも病院の敷地は大きくて、まだ病院の外には出ない。


「はぁはぁ……」

息が切れるのは、泣いているから?

強くなるって決めたのに、話が話だから、仕方ないか。


「……ふぇっ!」

私は木の陰にあるベンチに、腰を降ろした。

何なの?

育ての親と結婚するって、何なのよ!

マザコンなの!?

いくら責めても、責められない。


- 俺、紗和子さんの事 -


尚太君はずっと、言えない気持ちに、悩んでいたんだね。

いつからなんだろう。

紗和子さんを、そう言う目で見ていたのは。

側に小暮さんがいて、悩まなかったのかな。

傷つかなかったのかな。

そんな気持ちを隠して、他の女と付き合おうとするから、全部長続きしないんじゃない!

私だって、1か月も経ってないんだよ!


って、私いつの間にか、尚太君のことしか考えてない。

こんなにも好きなのに。
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