Dangerous boy
私は紗和子さんと、尚太君を交互に見た。

「どういう事?」

「どういう事じゃないよ。俺がプロポーズ?しようとしたら、オーナーが邪魔してきたんだろ?」

私は小暮さんの方を、勢いよく見た。

「いやあ。好きな女に、他の男がプロポーズするのかと思うと、居ても立っても居られなくて。でも最後まで聞いた方が、面白かったかな。」

「オーナー!」

尚太君が叫んだ。


「じゃあ、尚太君が紗和子さんと、結婚するって話は……」

「違うよ。」

「なんだ……」

力が抜けた私は、その場にヘナヘナと、座り込んでしまった。

「心、焦りすぎ。」

「ごめん。」

尚太君は、私を近くのベンチに、座らせた。


「でも、私は結婚するわよ。」

紗和子さんは、改めて左手の薬指を見せてくれた。

「えっ?誰とですか?」

「誰とって、俺しかいないって。」

小暮さんが、自分を指さした。

「ええ!小暮さんと!?」
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