Dangerous boy
尚太君は、目をパチパチさせている。

「それなら、Lineで送ってくれればよかったのに。わざわざ……」

「ううん。会って、伝えたかったの。」

私は、一度深呼吸をした。


「部長の告白は、断った。」


尚太君は、目を大きくしている。

「それだけ。じゃあね。」

そのまま帰ろうとした私の手を、尚太君は掴んだ。

「尚太君?」

俯いた顔を覗くと、尚太君の顔は赤くなっていた。

「それって、俺との関係を、期待してもいいって事?」

彼の手が、微かに手が震えている。

「うん。」

私が頷くと、尚太君は顔を上げてくれた。


繋がれた手が、いつもよりも熱い。

「心。今度、二人きりで会わない?」

「うん。尚太君ならいいよ。」

「よかった。」

尚太君の可愛らしい顔を見ると、こっちも微笑み返したくなった。


私達は、しばらく手を繋いだまま、お互いを見つめ合った。
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