Dangerous boy
尚太君を好きだって気づいた時は、世界の全てが明るい色に染まったような気がした。

本気で、好きになりそうだって、私の未来は輝いているようにも見えた。

なのに今は、全てが暗い色に染まっている。


- あいつは、女を虜にさせる悪魔よ -


環奈の言葉が、耳の奥に残って消えない。

そんな人じゃない。

何度も否定しても、あの言葉が浮かびあがってくるのは、気持ちのどこかで、思い当たる節があるからだ。


そう。

部長と一緒に、sunsetに行った帰り。

やけに慣れているような感じで、連絡先を交換した。

次にお店に行った時も。

やけに言い慣れているような感じで、私だけと言っていた。


まるで私は、蜘蛛の巣にかかった蝶みたいに、もう尚太君の事、好きになりかけている。


誰か、環奈が言った事、嘘だって否定してほしい。

本当は、尚太君、そんな人じゃないって。
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